鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?〜美と若さへの執着〜

「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」

・・・王妃は毎日、魔法の鏡に問いかけます。

先日、寝る前の絵本タイムで子どもたちに、珍しく童話を読んでみました。(いつも、図鑑読んで!と言う男子たちです)

子どもの頃は王子様が助けてくれた!よかった!という感想でしたが、大人になった今読むと、ゾワッとした感覚が胸に残りました。

だって、美しかった王妃が、美しさと若さに“執着”した結果、“狂気”へと変わり、若き白雪姫を毒◯しようとするなんて・・・。

でも、もしかしたら王妃の姿は、誰もが抱えている“他人との比較”や“老いへの恐れ”の象徴なのかもしれません。

「きれいでいなければ」という呪い

SNSを開けば、美しく整った顔、引き締まった体、完璧な生活。
そんな投稿を目にするたびに、知らず知らずのうちに比べてしまっていませんか?

「私もがんばらなきゃ」
「もっときれいに見せなきゃ」

そう思って努力することは、悪いことではありません。
でも、その根っこにあるのが、“他人との比較“であれば、どれだけ頑張っても、心は満たされません。

それは、童話の中の魔女と同じです。
鏡が「あなたが一番です」と言ってくれた瞬間だけ、安心する。
けれど、またすぐに不安になって、毎日確認をする。


他人の評価という“外側の鏡”を見続ける限り、心はずっと揺れ続けるのです。

ちなみにヨガ哲学における「幸せ」の定義は、心の揺れが少ない穏やかな状態です。

執着は人生を狂わせる

ヨガ哲学には「執着を手放す」「あるものに感謝する」という教えがあります。

執着には果てがありません。ちょうど美容整形がそうであるように、「ここを直したら、あそこも気になる…」と際限なく依存が始まり、周りが見えなくなってしまうことがあります。

若さに執着している場合も同じです。年を重ねたとき、自分を卑下したり、若さを妬んだり、過去の自分と比べて落ち込んだりしてしまいます。

「もう少し若ければ・・・」と、〜たら〜ればが増えていき、「今」を楽しめなくなります。楽しい人生とはかけ離れていきますね。

執着は、焦りや恐れにつながります。

その感情に支配されると、心は常に不足感でいっぱいになり、外側の評価や結果ばかりを追い求めることになります。

ヨガはそのような執着から距離を置き、今ここにある自分、体、心の状態に意識を向けることで、自然と安心感や満足感を取り戻すことを教えてくれます。

年齢や見た目ではなく、生き方そのものに自信がある人は、内側から美しさが湧き出ています。そして、人生の後半戦も堂々と楽しんでいるのです。

他人軸と自分軸とは?

「他人軸」とは、周囲の評価や社会の基準、他人の目を優先して行動する生き方です。
「みんながしているから私も…」「こう思われたくないから…」と、自分の気持ちや体の感覚よりも、他人からの期待や価値観、常識を優先してしまいます。

現代は、SNSを見ることで「美しくなきゃいけない」というメッセージにさらされやすく、いわゆるルッキズムの影響を無意識に受けてしまうことも少なくありません。

※ルッキズム:外見や若さを基準に人を評価したり、自分を測ったりする文化のこと

一方で「自分軸」とは、自分の感覚や価値観を中心に選択する生き方です。

「今の自分がどう感じるか」「体や心が心地よいか」を基準に行動するので、ストレスが少なく、心も体も安定しやすくなります。

美や若さへの執着は、他人軸か自分軸かで大きく変わります。

他人軸で生きると、常に比較や焦りが生まれ、心が休まらず苦しくなります。

そして年を重ねることをマイナスでしか捉えられなくなり、誕生日を迎えるたびに気持ちが沈んでいってしまいます。

心境は外面にもはっきりと現れ、背中は丸まり、口角は下がっていきます。

反対に自分軸で生きると、体や心の変化を受け入れながら、年齢とともに深まる経験や知恵を楽しめるようになります。

幸いなことに私はそういった女性たちにたくさん出会ってきたので、私も素敵に年齢を重ねたいし、わくわくする世界が待っている!と思っています。

自分軸で生きるには

「自分軸で生きる」には、他人の評価よりも、自分の感覚を信じて選択することが大切です。

たとえば、
「今日は何を食べたい?」
「どんな服を着たい?」
「どんな働き方が心地いい?」

そうした日々の小さな選択を、
“誰かにどう見られるか”ではなく、
“自分がどう感じるか”で決めていくことです。

自分にとっての心地よさを追求し、選び続けるうちに、自分軸は育っていきます。

ヨガは「自分に矢印を向ける練習」

ヨガは、自分軸を取り戻すシンプルな方法の一つです。

ヨガのポーズ(アーサナ)は、体を柔らかくするためだけのものではありません。本当の目的は、“意識を外側から内側へ戻すこと”。

レッスン中、最初のうちは周りの人の動きが気になります。
「あの人の方がきれいなポーズだな」「私、体かたいな」「できないの恥ずかしいな」と。

でも、ヨガを続けているうちに「今日、自分の体はどんな感覚だろう?」「今日は肩が重たいな」「今、ここが伸びているなぁ」「呼吸が深くなってきたな」と外に向いていた意識が、少しずつ自分の方向へと向けられていきます。

そして、他人と比較しても意味がないことにも気がついていきます。

外側の評価に振り回される日常から、ほんの数分でも、自分の内側に戻る時間を持ってみませんか?


コメント

コメントを残す